アメリカの男女役割

アメリカの男女役割

昔の日本は、男性が外で働いて女性が家のことをするのが当たり前でした。女性解放運動が明治時代から大正時代に行われ、女性の参政権などが法律で認められるようになると、しだいに女性の社会進出が見られるようになってきます。今では男女雇用機会均等法などの法律もあり、多くの女性が社会で働いています。

「“男の子は男らしく、女の子は女らしく”と言う言葉は古い、個性が大切だ」とされる一方で、いまだにその言葉を使う人もたくさんいます。日本は先進国の中では男女平等の後進国と言われており、セクハラが当たり前のように横行している会社もまだ見受けられます。反面、アメリカは共働きが当たり前の社会で、男性も家事に積極的に参加します。
ここでは日本とアメリカの男女の役割を見てみましょう。

レディーファーストの歴史

アメリカでは高校は義務教育に含まれる ヨーロッパの国々ではレディーファーストが習慣となっています。つまり、ヨーロッパから移民して来た人が多いアメリカでも、レディーファーストは当然の文化なのです。

ところでなぜレディーファーストが始まったのか、考えたことはありますか?実は昔、ヨーロッパでは家から外に出る時や家に帰って扉を開ける時が一番危険な瞬間でした。そのため自分の命を守るためにまず女性を部屋に入れ、異変があればすぐに逃げるという方法を取っていたのです。

後に騎士道として貴婦人に対して奉仕する理念が確立し、現在でも紳士のたしなみとして女性を大切にする意識が浸透しています。女性へのいたわりの気持ちで行うレディーファーストですが、昔は今とは少し違う意味合いのものでした。

昔の日本でのレディーファースト

アメリカでは高校は義務教育に含まれる 日本はレディーファーストと無縁の国だと思われています。しかし、実はそうとは言い切ることが出来ません。

「女は3歩後ろを歩きなさい」と昔は教えられていたと聞きます。それを差別だと思われる方も多くいらっしゃいますが、実は3歩後ろを歩いてもらうことで男性は女性を守りやすく、とつぜん奇襲を受けた際でも女性を守ることが出来るよう、常に女性に後ろを歩かせていたと言われています。

日本での男尊女卑

近年では日本の高校でもディスカッションを取り入れたり選択制の授業を増やしたり、様々な試みがされるようになってきました。しかし、急には変わりません。
日本では、親が子供の成績表を見た時に、まず成績の悪い科目を指摘します。アメリカでは、成績の良い科目をまず褒める、と言われています。平均的な能力を重視する日本人と、個人の得意分野を伸ばすことを重視するアメリカ人。国民性が出ていて大変興味深い部分です。

アメリカの女性解放運動(ウーマンリブ)

アメリカでは高校は義務教育に含まれる 今でこそ男女平等というイメージのアメリカですがそもそもは違っていました。18世紀にアメリカで独立革命が起こり、独立革命に打ち勝った国民は参政権を得ることになりますが、この国民の中に女性は含まれていませんでした。日本と同様、アメリカでも女性に参政権は無かったのです。

やがて19世紀後半から20世紀前半にアメリカで女性解放運動が起こりますが、この運動前までは女性は知的・精神的・肉体的に男性よりも劣っているとされ、家事や育児のみを押し付ける風潮があったのです。

しかし女性解放運動が起こると、アメリカ人女性に自立意識や職業意識が芽生えていきます。その後、第一次世界大戦、第二次世界大戦で男性たちが次々と戦争に出て行ったため、女性も働く必要が出てきました。第二次世界大戦が終わり男性が国に戻ってくると、女性は仕事を辞めるように言われますが、女性は「男性と同じ仕事が出来る」という自信がついたため、更に自立への意志を強めます。1960年後半にアメリカで再度始まった女性解放運動は他の先進国にも広まり、この運動により女性の雇用や産休に対しての法律が作られるようになりました。今ではアメリカで男女差別を含む様々な差別が違法だとされて厳しく取り締まられています。

1960年は、アメリカで労働者として働いている既婚女性は30%程度でしたが、2005年には約60%に。また現在では企業の女性管理職の割合は40%以上を誇っています。ちなみに日本では、1960年は労働者として働く既婚女性は10%以下でした。1986年に男女雇用機会均等法が成立し、1990年には30%を越えています。しかし、女性管理職の割合は現在でも10%以下と言われています。

日本とアメリカの男女の家事育児介護への取り組み時間

アメリカでは高校は義務教育に含まれる さて、現在では日本でも正社員と非正社員の違いこそあれ、ほとんどの母親が外で働いています。女性が働くようになれば当然、家庭での家事育児は男性に分担してもらわなければ成り立ちません。ところが、日本はこの家事育児の時間が他国よりも圧倒的に短いのです。

総務省の『社会生活基本調査』によると、女性が家事育児介護などをする時間が1日7時間以上になるのに比べ、男性は1時間程度。その結果、仕事と家庭の両立で女性の負担は大きくなり、ノイローゼになったり鬱になったりするという報告もあるのです。

アメリカでは女性の家事育児介護の時間は6時間半、男性は3時間程度だと言われています。日本人男性の中には家事をしたくない、家事は女性がするものだと考えている方もいますが、特に若い男性からは「家事をしたくないのではなく、会社での残業時間が減れば、その分家で家事が出来る」と言った意見もよく聞かれます。